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執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

ジャージで始業式

制服に着替えようとする娘に、「ねぇ、制服は??」と聞かれて、ハタとクリーニングに出したままであることに気付いた3学期の始業式の朝。


年始は山梨の自宅やら東京やらで過ごしていて日曜に帰ったばかりだったこと、月曜は早速母の目の手術でてんやわんやしていたこと…と言い訳をしても、いまそこに制服がないという事態は変わらない。


「学校行かない」と言い出すかと思いきや、「仕方ない!ジャージで行くわ」とだれを責めることなく、さっさとジャージに着替え始めた中学2年女子。


中高一貫校に通う娘。

始業式は高校生も合同で1時間目は校長先生の話を体育館に集まって聞かねばならんのに?一人青ジャージは目立ちますよね???


内心びっくりしながら、いつも通り娘を車で学校に送り届ける。

流石に「あー、やっぱ、一人ジャージは恥ずかしいわー」という娘に、「え?どうする??」と返しつつ、(あー、やっぱり、そりゃあそうよね、行かないと言われても仕方ないわ)と頭を掠めた矢先、「じゃ!行ってくるわ!」と車を降りて颯爽と学校へ行ってしまった。


行くんや…青ジャージで…始業式に青ジャージで…


うわぁあああああ、むっちゃすごない????

もうあなた、200点満点!!!!!というか、点数とか点けられない。


ぶっちゃけ小4から小6、中学受験なんてよくできたよなぁと思うくらい、いじめとか、不登校とか、転校したらその学校の理事長こそがいじめっ子とか、娘の日々は波瀾万丈だった。


自分に起きる悲喜劇なら、自分に飛びかかる火の粉なら、自分でどうにだってしたらいい。


でも娘はどこまでも娘だ。

彼女に起きることは、親のわたしにだってどうしてよいかわからんことの連続で、なにが正解なんだか、そもそも正解なんかあるのかどうかもわからん手探りの毎日に、彼女以上に疲弊していたのはわたしのほうだったと思う。


うん、正直に告白しよう。

病んでおった。


自分の課題と娘の課題どころか、そのへんてこりんの環境を共にしているうちに、だれかの課題までも自分のや娘のとの区別がつかなくなるくらい、疲弊しまくっておった。


どこをみても課題だらけにしか見えなくなってた。

いっつもだれが味方でだれが敵かって、そんな感覚に陥ってた。


娘の「福岡のばあばの近くの公立小に通いたい」のひとことは、助け舟だったのだといまなら思う。

小6の夏に福岡に拠点を移してから2年半。


冒頭に戻る。

始業式に、一人ポツンと青ジャージ!

でもシノゴの言わんと学校へ行った娘っち

メンタルつえぇえぇぇぇぇ!!!!!

なんかむっちゃ感動したんですよ、えぇ。


どんな一日を過ごしてきたのだろうと不安に思いながらお迎えに行った娘に、第一声、「どうだった?」と尋ねると、


「一番最初に担任のNちゃんに会って、’あんたどうしたとね?’と聞かれたから、’クリー’って言いかけたところですでにガッハッハって大笑いされた」というので、Nちゃん、やっぱりサイコーだな、と思う。


その後も、いろんな先生やクラスメイトたちに心配されたらしい。

ただのうっかりかあさんですが、ご心配おかけした方々、本当に申し訳ございません。

「ほかにもいるかなーと思ったら、わたしだけだった〜」とそこだけちょっと残念だった模様(笑)


なんか、よい一日だった。

でも新年早々うっかり母さん発動させてるのは反省しておきます…

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